法務の業務に役立つ資格を紹介していきます。
今回は、宅地建物取引士を紹介します。
宅地建物取引士は宅地建物取引主任者という名称から変更した国家資格になります。
宅地建物取引業の事務所の5人に1人以上の宅地建物取引士の設置が義務付けられるため、宅地建物取引業に必須の資格となっています。
法務に役立つ度:★★★★☆
1.私の合否
合格しています。
まだ、宅地建物取引主任者時代です。
2.出題範囲
①権利関係
民法、借地借家法、不動産登記法、建物区分所有法
②宅地建物取引業法
③法令上の制限
都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法
④税金その他
所得税法、印紙税法、地方税法(不動産取得税、固定資産税)、不動産鑑定評価基準、
景品表示法、住宅金融支援機構法
3.法務に役立つ資格なのか
不動産業界の法務以外でも役立つ資格だと思います。
どの企業もオフィスに入居しており、それが所有ビルであれ、賃貸であれ、不動産であることに変わりはありません。
賃貸ビルの場合、オーナーとの値上げ交渉や、オフィス返却のときの原状回復工事費用の交渉などが発生します。
所有ビルの場合、新築に始まり、管理修繕、最終的に売却もありえます。
都度、契約書の締結は発生します。
特に原状回復工事の費用は揉めやすいところです
私は自社所有地の売却に際し、土壌調査から始まり、境界画定、契約書作成、契約書締結、代金決済、引き渡しまですべてにかかわった経験があります。
境界画定の際に隣地所有者と揉めた際も、隣地所有者との交渉や妥結案の作成などを対応しました。
隣地所有者全員の押印が必要なため、押印を求めて飛び回った記憶があります。
また、自社で不動産関連事業を新規に立ち上げたときに、宅地建物取引業免許を取得した経験もあります。
現在、免許申請の審査が厳しく、オフィス内の構造、セキュリティが重要なため、オフィス内の写真を撮り直し、都庁まで足を運び、折衝しました。
免許を取得した後の体制の整備にも、本資格の知識は役立ちました。
不動産事業が軌道にのるまで専任の宅地建物取引士として登録したこともあります。