企業における法務とはどのような業務でしょうか。
企業ごとに法務の役割は違うと思いますが、全般的に当てはまるのは法律に関連する業務ということです。
1.法務の分類
それでは、一般的に法務の業務というものを見ていきましょう。
一般的に法務は、臨床法務、予防法務、戦略法務に分類されると言われていますが、これに加えて私なりの分類を入れていきたいと思います。
転職面接で予防法務の重要性を説明して評価されたことがあります!
2.コーポレート法務
コーポレート法務は予防法務の一部と言われることもありますが、私はここでの法務の重要性を見て、一番初めに記載したいと思います。
企業の運営の中で、会社法で定められているものがあり、代表的なものは株主総会や取締役会です。
このような機関は会社法に違反しないような運営が求められるため、重要な法務の業務となります。
従前は株主総会などは、総務の業務と思われていたかもしれませんが、法務の募集要項を見ると、一番目に機関運営が記載されていることも多く、現在は法務の業務として適法は運営が望まれているものと思います。
- 株主総会の運営
- 取締役会の運営
- 監査役会の運営
- 指名報酬委員会等の任意の委員会運営
- 内部監査
会社法や金融商品取引法の正確な知識が必要になります!
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3.予防法務
予防法務は紛争などの問題が発生しないように前もって法的な対策をするものとなります。
相手先の企業と紛争にならないような契約書の作成や、法違反の状態が発生しないような社内体制の構築も含まれます。
以前は人事や総務の業務ではないかというものにも法務の関与が求められています。
自社の遵法体制を構築するために法務が積極的に関与することが望まれているのです。
- 契約書の作成内容、審査および交渉支援
- 社内での法務相談
- 顧問弁護士等、社外専門家との窓口業務
- 各種法令調査や法改正のキャッチアップ、対応策の立案および社内周知
- コンプライアンス体制の構築
- 会社規程の策定や改訂
- 職場環境の整備(安全衛生、防火管理、ハラスメント防止)
- 個人情報保護研修など法務にかかわる研修の実施
法務のメイン業務ですね!
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4.戦略法務
戦略法務は、「攻め」の法務とも呼ばれることもありますが、企業の経営戦略に基づいた新規事業などのプロジェクトで法的なサポートを提案します。
法的リスクの調査であったり、新たな契約の作成、締結などが考えられます。
- IPO対応
- M&Aやその他事業再編対応
- 海外法令調査
- 知的財産権の申請、管理
- 事業に必要な許認可の申請や管理
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5.臨床法務
臨床法務とは、実際に紛争(トラブル)が起きたときに、それに臨む対応を言います。
訴訟対応は顧問弁護士との連携になると思いますが、法務が一人で対応することもあります。
法務のコミュニケーション能力が求められるところです。
- 訴訟に関する顧問弁護士との窓口対応
- 労務紛争や労働基準監督署の是正措置への対応
- 未払債権の回収
- クレーム対応
- 取引先の破産手続の対応
この分野はなかなか経験できないと思うので、機会があれば積極的に取り組みましょう!
6.まとめ
これまで一般的な法務の業務を分類ごとに見ていきました。
法務の業務内容は以下の通りです。
私が思うに、企業の遵法意識が高まれば高まるほど、適法に業務を進めるために法務の業務範囲が広がっていくと思います。
これから法務を目指す方も幅広い知識と経験が必要になると思います。
法務人材に必要なスキルについては以下の記事を参考にしてください。