会社規程の制定、改訂、管理も最近は法務の業務に含まれることが多いと思います。
各種規程の中身を見ると、第〇条という記載も、その文章スタイルも、法律の条文に似ていることから、法務に任せようということもあると思います。
それでは、以下、その具体的な業務内容を見ていきましょう。
1.規程の改訂
まずは、頻度の高い規程の改訂です。
法改正があった、内部監査で規程と実務の乖離が指摘された、そもそも規程の条項が足りなかったなど、規程改訂の契機はさまざまです。
顧問弁護士や内部監査部門、改訂規程が関連する部署と相談して、規程の改訂案を作成します。
規程の制定や改訂は取締役会の決議が必要な企業は多いと思います。
なぜ、規程の改訂が必要か、どのような改訂をするのか、などを新旧対照表を用いて法務自らが取締役会で説明できるようになってください。
そして、無事規程の改訂が承認されたら、規程の施行日には社員が確認できるように、社内に案内し、社内イントラネット等に登録します。
2.規程の制定
次は、規程の新規制定です。
弁護士事務所が規程集のひな形を出版しているということから、弁護士に規程の制定を依頼する企業もあるかと思いますが、規程というものは社内事情を知らないとそれを反映することができず、法務が担当すべきだと思います。
もちろん、法務とはいえ、最初のたたき台は規程集のひな形から持ってくることが多いと思います。
たたき台をもって、新たな規程が関連する部署と何回も話し合って、ブラッシュアップしていくべきです。
その際、ひな形がそうだからといって、法律的な文章にこだわる必要はありません。
規程の存在意義は社員が理解して、確実に実行してもらうことなので、社員が理解できない規程は本末転倒です。
法律用語よりも関連部署の社員が理解できる用語、関連部署で使われている用語を用いたほうがよいと思います。
私は、社内だけにとどまるルールを規程化するときに、第〇条という用語も使わず、1.何々、2.何々と箇条書きの規程を作成したこともあります。
社員に理解してもらい、ルールを守って欲しい、制度を利用して欲しい、ではどうするかという問いかけが必要です!
3.規程の管理
規程の管理で難易度が高いのは、法改正情報のキャッチアップです。
最近、働き方改革で労働法関連の法改正が多く、就業規則など社員全員が関係する規程の改訂が必要なことが多いと思います。
法律が改正されるとメールで通知してくれる法令データベース会社もあり、そのようなサービスを利用することも考えられます。
法改正があり、規程の改訂が必要だと判断したら、すぐに上司や経営層に提言してください。
情報のアンテナが広い役員の方も多く、「法改正があったが、自社の規程は大丈夫か」と聞かれて初めて気づくのでは法務として職責を果たしているとは言えません。
そのように聞かれても、「施行日はいついつなので、〇月度の取締役会に上程予定です」と回答できるように準備してください。
私も役員の方からよく法改正について質問されました
4.まとめ
ここまで会社規程整備の具体的な業務内容を見てきました。
業務内容は以下になります。
会社規程の整備は法律を読み慣れている法務の能力を発揮できる業務だと思います。
法務として積極的に会社規程の整備を実施していただきたいです。
会社規程の整備は楽しい業務だと思います!