『コンプライアンスのすべて』でESG経営やSDGsなど最新のコンプライアンスの体制を目指そう!

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『コンプライアンスのすべて 取り組むことが求められるこれまでとこれからのテーマ』

著者名:中島 茂 著
発行日:2021年9月1日
発行元:第一法規
ページ数:240ページ
価格:2,640円(税込)

法務に役立つ度:★★★★★

1.本書の紹介

弁護士の中島先生の著作になります。
この本は他社のコンプライアンスマニュアルや行動規範を調査し、自分なりの比較項目を作りたいなと思ったときに読みました。

私は弁護士の方のコンプライアンスの書籍は複数読んだのですが、多くの書籍がコンプライアンスの重要性や、コンプライアンス体制の作り方等、抽象的なものが多く、なかなかコンプライアンスの具体的内容まで踏み込んだ書籍はありませんでした。

本書はコンプライアンスの具体的内容まで踏み込み、即実務に利用することができるものとしておすすめしたいと思います。
ちなみに2022年3月に増刷となっています。

2.法務に役立つポイント①

まず、この本書の中で法務に役立つポイントを挙げると、コンプライアンス項目の切り口です。
あなたと会社とコンプライアンス、あなたと職場とコンプライアンス、あなたと仕事とコンプライアンスのように、コンプライアンスの対象を会社、職場、仕事、情報、社会に分類しています。

この分類を参考にして、私なりの分類を作成して、他社のコンプライアンスマニュアルの比較に利用しました。
これにより、自社や他社のコンプライアンスマニュアルに足りないところや、追加すべきところをすぐ把握することができます。

上記のように最初に良いと感じたのは分類でしたが、一つ一つの項目についても初心者に読みやすい内容で、かといって法務が読んでも参考になる記述が多かったです。

特に根拠となる法律を的確に網羅的に指摘しており(労働基準法等などと漠然ではなく)、背景の法的根拠が欲しい法務にとってはうれしい配慮です。

経団連の企業行動憲章の分類も参考になります

3.法務に役立つポイント②

次に役立つポイントは、最近の話題であるCSRやESG投資、ESG経営、SDGsがコンプライアンスにどう関係するか述べられている点です。

法律をベースにしたコンプライアンスの書籍では記載が少ない部分で、著者の視点の広さを感じます。
このあたりの話題は、株主総会で質問される可能性も高く、法務として株主総会における想定問答集の作成にも役立つと思います。

現代奴隷法や紛争鉱物規制についてもふれられていて、参考になります

4.まとめ

書名が「コンプライアンスのすべて」となっていますが、辞書的な使い方ではなく、まずはしっかり熟読し、コンプライアンス業務に迷ったら本書に立ち戻り、原理原則を確認するという書籍だと思います。

巻末の理解度チェック問題集が80問も付いています。
本書の理解度をチェックする問題集なので、一般的な企業でコンプライアンスの理解度をチェックするには少し手を加えないといけませんが、十分利用できると思います。

5.カスタマーレビュー

レビューや評価をご確認ください。

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