転職で法務を目指すためには、どのような方法がよいのでしょうか。
法務の転職に必要な知識と経験、面接でどのように評価をあげるのかを、私の経験をもとに記載していきたいと思います。
1.転職か異動希望か
法務になるために転職ではなく、異動希望という方法もあると思いますが、私は転職をすすめます。
理由は法務が求められているからです。
私も一般企業の総務にいたころに毎年法務への転職希望を必ず出していたのですが、一切かないませんでした。
求められていないところに希望を出しても難しいですよね。
私のほうが当時の法務メンバーよりできる!と思っていたのですが・・・
その点、転職は、専任の法務がいない企業も多く、「あなたに自社ではじめての法務メンバーになってください」的なキャッチフレーズの募集要項も多く、おすすめです。
ただ、はじめての法務、一人法務の場合、まず純粋な法務の仕事だけに従事できると思わないほうがよいと思います。
以下の記事を参照してください。
2.必要な知識と経験①~法律の体系的な勉強
私が考える転職で法務になるための知識と経験は①法律の体系的な勉強と、②一般企業の勤務経験(なるべく法務寄りの)だと思います。
本記事を読んでくださっているあなたのお立場はどのようなものでしょうか。
法学部の学生でしょうか、それとも、法科大学院の学生でしょうか、はたまた他の職種のビジネスパーソンでしょうか。
それぞれの立場で知識と経験は異なってくると思いますが、以下、共通するものとして、記載したいと思います。
まずは、①法律の体系的な勉強です。
これを証明する一番の方法は法律系の資格です。
司法試験、司法書士、行政書士、社会保険労務士、弁理士、中小企業診断士、宅地建物取引士、ビジネス実務法務検定、知的財産管理技能検定など様々なものがあります。
司法試験については合格していなくても、もしくは、法科大学院の卒業自体も体系的な勉強をした経験は伝えることができると思います。
各企業にはそれぞれ必要な業法があり、企業側としては必要とされる業法に通じている希望者がたまたま面接に来るとは思っていません。
分野に特化した法律の資格の勉強でも、それをアピールすることによって企業側はこの希望者は必要とされる業法も勉強して対応できると考えるのです。
面接時、私が持っている資格の多さに驚かれることが何回もありました
3.必要な知識と経験②~一般企業の勤務経験
次に必要なものは、②一般企業の勤務経験です。
新入社員を法務に配属することは少ないと思いますし、法務で転職活動をしていても一般企業の勤務経験がないと難しいことも多いと思います。
実際、私が、司法書士事務所勤務から一般企業の法務を目指したときもそうでした。
そのような場合には、なるべく法務に近い部門に異動、転職して経験を積みましょう。
経営企画部門、総務部門、人事部門などの管理部門がおすすめです。
法務はその業務の特性から、役員をはじめとする上位役職者から一般社員まで会話する必要があります。
管理部門は全社にかかわる業務内容なので、管理部門にいるうちに積極的に他部署の社員とコミュニケーションを取ってビジネススキルを高めておきましょう。
そして、管理部門の業務の中でも、法務に近い業務は積極的に手を挙げて参加しましょう。
私も将来法務になるための修行だと思っていました!
以下の関連記事を参照してみてください。
4.面接で評価を上げるには
もちろん法務といえども、他部門への転職面接と同様の準備は必要です。
当たり前ですが、①志望動機、②今までの職歴、③現職を退社する理由、④自己PR等の通常、聞かれるであろう質問事項に対する準備はしっかりしてください。
皆さんの法務に対するイメージはどのようなものでしょうか。
①真面目、②固い、③理屈っぽい、④重箱の隅をつつく、⑤こう言えば、ああ言う・・・。
イギリスの格言で「良き法律家は悪しき隣人(Good lawyer, Bad neighbor)」というものもあります。
面接官も多少なりともそういったイメージを持っているので、逆をつくのです。
一番評価されるであろうポイントはコミュニケーション能力だと思います。
法務といえども、管理部門であり、上記にも記載しましたが、管理部門ではコミュニケーション能力が必要だからです。
「前職ではいろいろな部署の方を巻き込んで業務を進めてきました」のようなアピールです。
以下は、面接官からの逆質問(「当社への質問はございますか」など)で私が準備していた一例です。
参考にしてみてください。
- 私が担当する具体的な職務内容を教えてください
- 部署の直近の課題は何ですか
- 私のどのような知識が役に立つでしょうか
- 法務一本のキャリアではないですが大丈夫ですか
- 御社の社風はどのようなものでしょうか
- 代表者の性格を教えてください
取締役会運営など、代表者の性格の把握は重要です!
その他、法務で必要なスキルは以下の記事を参照してください。
5.まとめ
私なりの法務への転職を目指す具体的な方法を紹介しました。
以下の項目がありました。
こちらはすべて私の体験に基づくものです。
私自身、常に転職で成功したとは思っていません。
私のプロフィールをご確認いただき、もし参考になる箇所があれば、皆様の転職活動に活かしていただければ幸いです。
人生もキャリアも人それぞれですよね